« 負けるもんか、余震 | トップページ | 今日もズボン、届けます »

2011年4月 9日 (土)

自宅避難事情、そしてズボン

 岩手県沿岸の被災地の、自宅避難されているお宅に友人と二人でおじゃましてきました。きつい坂を上った高台です。

 Kさんのお宅には、ご近所で同じく自宅避難されている5名の方が来て下さっていました。電気は復旧しているということで、コタツに7名が足を入れ、約3時間、お話を伺うことができました。

 皆さんそれぞれに震災の時のお話をして下さいました。ベランダから見えた黒い海、何もかもを引っ張って行った波、その後の火の海。そして、失った身近な方々のこと。

 1週間は何をするにも動転して手につかなかったそうです。ライフラインが戻らない不安、余震の恐怖、入らない情報。服を着たまま6時には布団に入るものの、眠れず、朝まで12時間の苦痛。

 家が残ったということは「よかった」よりも、何もかも流れてしまった人たちに「申し訳ない」という気持ちが強く、家にある食材や衣類を避難所に運び、料理を作って差し入れし、そして食べるものが無くなっても、避難所の方と顔を合わせるのが辛く、行きづらいそうです。一番みすぼらしい服を着ていく、という方もいらっしゃいました。

 週に一回、自宅避難の人向けの配給があり、それは町の掲示板に張られるそうなのですが、野菜といっても「にんじん2本か、タマネギ2個」や、卵は12人家族でも2個など、十分なものではありません。それでも、家が流されて避難所にいる人のことを思えば、とおっしゃいます。

 洗濯は、電気がきてからは脱水ができるようになったけれど、それまでは川で手洗いをし、手絞りしたものは、どんなにきつく絞っても、今の季節だと乾くのに3日かかるというお話でした。

 断水も続いており、給水車が回っていても、気づかないとすぐ行ってしまうため、日中はテレビをつけずに、静かに耳を澄ませているのだそうです。それも1日1回。ただ、給水車の水は消毒がきつくて、とても飲めたものではないと。坂道を運ぶのも重くて難儀で・・・

 と、そんなお話を伺っていたとき、Kさんのお宅の電話が鳴り「水が出るようになった!」とのお知らせ。その瞬間の、みなさんの喜びようといったらなかったです!全員で拍手喝采!握手、握手!!

 帰り際、持参した野菜や果物、雑誌や飲み物、缶詰等をお渡ししました。とても喜んで下さって、本当に嬉しかったです。「このお金はどうしたのですか?」と聞かれたので、このブログで呼びかけて集まった全国の皆さんからの支援金です、とお伝えしました。とても感謝していただけたことをこの場でお礼と共にご報告申し上げます。

 この地区では、商店がみな流されてしまったため、買い物は困難です。たまにスーパーの出張販売が屋外で行われるけれど、すぐ売り切れてしまうとのこと。今必要なものを教えていただければ、代わりに購入して来週持ってきます、と申し出ました。個々に紙をお配りすると、まずはやはり食料。主に野菜、肉、豆腐、さつま揚げなど。大人用のオムツという方もいらっしゃいました。その方は、ご自宅に食べ盛りの子供たちからお年寄りまで10人以上が避難して一緒に生活しているそうです。

食材を書き出すみなさんは、ワクワクと、とても嬉しそうでした。
皆さんが笑って下さると、私も笑っていいんだ、と思えます。

この笑顔が、町全体に広がるといいなと思います。

Zubon_2 また、大量のズボンは避難所にて、爆発的人気でした。

スペースの都合上、静雄さんのロープに吊るす作戦はできませんでしたが、あっというまにダンボールには人だかり。

「いや~、嬉しい~、地震のときからずっとコレよ」と穴の開いたズボンを指差す方もいらっしゃいました。ズボンが不足しているという話はほんとにほんとでした。特に人気だったのはジャージです。ベルトもあっという間でした。1時間半くらいで人も落ち着いてきたところで、残ったものはまたダンボールに収め、次の避難所へ。そこはもう「全部置いてって」ということで、本日分は完売御礼です!

 というわけで、皆さんが送ってくださったスボンはこうして多くの方に喜ばれました。これから届く分も、こうしてお渡しできたらと思います。今回人気だったサイズ、足りなかったもの(100センチ以上など)、またピンポイントで呼びかけをさせていただくかもしれませんので、その時もどうぞよろしくお願い致します。

 東京・兵庫から静雄さんを慕っていらっしゃった9人のお手伝いの皆さん、昨日に引き続き手伝いを申し出て下さった夫の会社のTさん、Mさんも大活躍されていました。

 雨の一日でしたが、一筋の陽が射した気がします。

 一緒に行った友人hiromiちゃんのブログはこちら

|

« 負けるもんか、余震 | トップページ | 今日もズボン、届けます »

岩手」カテゴリの記事

コメント

秋田からズボンを送った者です。
この度の震災の被害にあわれました皆様に、心からお見舞い申し上げます。

ズボンの行方をこのように紹介して頂き、本当にありがとうございます。胸が熱くなりました。皆さん苦しい中、耐えながらも必死である姿を思い、私にももっと出来る事がある、との思いを強くしました。

テレビでは知り得ない情報を得る事が出来、隣県での役割を更に感じております。

個人ですので大きなことは出来ませんが、色々な活動に参加し、長く支援活動を続けて行きたいと思っています。どうか、仲間に入れてください。今後ともよろしくお願いします。

投稿: usui | 2011年4月 9日 (土) 19時58分

雨模様の中お疲れ様でした。

やはり現地の方々の生の声を聞く事はとても大事ですよね・・。報道されている事とは若干違った声が聞けたり。

今後必要なものはどんどん変わっていくと思います。アンテナを高くして、少しでもお役に立てれば・・と思います。

投稿: cyami | 2011年4月 9日 (土) 20時34分

いつもご苦労様です!
こうして、現地の方々の現状を伝えてくださることに感謝しています。
強い余震などもあり、不安な日々を過ごされている方々が、少しでも笑顔になれたら嬉しいです。
それにしても、地域の皆様の助け合いの精神に、敬服です。

投稿: おさんぽ | 2011年4月10日 (日) 00時25分

大きな団体への募金も大切ですが、このような、被災者の方の生活や心にぴったりと寄り添うような細かい支援活動と、分かりやすい活動報告が必要なのではと、ずっと思っていました。

本当に、本当にありがとうございます。

ズボン、私もできるだけ集めてみます。
他のお手伝いもできたらと思っています。 

投稿: aya | 2011年4月10日 (日) 08時15分

Kさんのお宅に集まったみなさん、集まれたこと、しゃべれたこと、そして、来週の約束ができたこと、私も笑顔をいただきました。

大きな余震にも停電にもマケズ、ズボンの仕分けとお届け、お疲れさまでした。
サイズの合うものを選ぶだけで、デザインを選ぶところまでいかないとは思いますが、お買い物をしているようなワクワク感も一緒に届いているといいな、と思います。

投稿: mitch | 2011年4月10日 (日) 08時55分

to.usuiさん
秋田からのご送付ありがとうございます。近くにいるからできること、たくさんあります。昨日、大槌では泥かきのボランティアを募集していました。盛岡や遠野などの拠点まで行かれれば、そこからはバスで現地に連れて行ってくれるそうです。私は、自宅でひっそり暮らす方々とこれから長いお付き合いをしていけたらと思います。他にもいろんな形があると思いますが、これからもぜひ情報交換していきましょう!よろしくお願い致します。

to.cyamiさん
お話しを伺いに行くことで、結果的に「みんなでお話しをする場」を作れたことが何よりよかったと思いました。みなさん、震災後、こうしておしゃべりしたり、笑ったりしたのははじめて、とおっしゃって下さったので。女性はやっぱりおしゃべりが元気の源ですね。またcyamiさんのアンテナにもメッセージを送ります。

to.おさんぽさん
一番お伝えしたかったのは、あの場の雰囲気です。おしゃべりが盛り上がったり、スボンを手に喜んでいただけたり。事実の羅列しかできずもどかしく思いますがどうか想像を膨らませてお読みいただけたらと思います。

to.ayaさん
個人レベルでも何かできるとわかって、個人レベルの輪が広がってもらえたら嬉しいです。こうしてコメントを下さることもまた支援です。ありがとうございます。

to.mitchさん
スボンのご協力もありがとうございました。節電してご寄付の話もHさんから伺いました。彼女も精力的に支援金を役立てる方法を探しています。私よりキメ細やかなので..。スボン選び、私も一緒にほじくりまわしましたが、面白かったのは、女性はとりあえずウエストがだいたい合ってて綺麗めならジャンジャンキープします。男性は、ウエストがコレというのを探し続けるし、見つけても「こういうのは履いたことねーもの」と、デザインもチェック。厳しいです。でもみなさん最後は「他の人にもまわしてほしいから」と最小限をお持ち帰りでした。ここにも助け合いがありましたよ。

投稿: keiko | 2011年4月10日 (日) 11時02分

はじめまして、知人よりこちらのサイトのお話を聞いてズボンを送ろうかと只今仕分け中です。
まだ送っても大丈夫でしょうか?
特に主人が2~3回穿いただけの洗濯済のものが十枚くらいあります。
特に必要なサイズとかありますでしょうか?作業服のズボンは洗濯済でも中古はさすがにダメでしょうか?質問ばかりですみません(汗)

投稿: miko2 | 2011年4月10日 (日) 13時16分

to.mako2さん
はじめまして。スボン、もちろんぜひぜひお待ちしています。一応今日を締め切りにして、届いたものを12日に現地に運ぶ予定でいますが、間に合わない場合も、今後必要に応じてお届けします。作業服のズボンもいろんなサイズのズボンもなんでも受け付けております。

投稿: keiko | 2011年4月10日 (日) 19時31分

おかやん~
本当にありがとう!
あなたのおかげで「何かしたいけど、何をしたらいいのかわからない」という人たちが支援の輪を広げてくれています。
少しの声かけで気持ちよく動いてくれる友達が私にはたくさんいるんだ!って気づかせてくれました。
ズボンの行方を知ることができたり、今後どんな支援が必要なのかを知ることができる・・・
毎日のように娘達も一緒にブログを読んでいますよ♪

投稿: mama | 2011年4月10日 (日) 21時46分

 慶子さん、本当にお疲れ様です。
神戸の仲間に、話すと(殆ど、男性です)やはり女性のこまやかさには、かなわんなぁ。
長丁場やから、身体に気つけて。僕らも何かの時は、駆けつけるから。と話していました。私も金曜日に、埼玉のアリーナで手伝いをしてきました。皆やはり今後の事が気がかりで、仕事の相談が多かったです。次のステップに早急に対応できるよう、情報集めが必要な事を強く感じました。また発信してくださいね、動きますから。

投稿: ムーミンママ | 2011年4月11日 (月) 21時24分

to.mama
みんなで読んでくれてるなんて、嬉しい~。がぜん張り切っちゃうよ!そうなの、物資と共に届く“気持ち”が私達のパワーとなっています。今日もズボンもってくよーーー。お父様にも大変たくさんのズボンをいただきました。よろしくお伝え下さい。

to.ムーミンママさん
埼玉のアリーナといったら、ものすごい量の物資なのでしょうね!そういうところでの情報交換も貴重です。経験者の皆さんのアドバイスも心強く思います。お気遣いにも感謝致します。

投稿: keiko | 2011年4月12日 (火) 07時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/148930/51343407

この記事へのトラックバック一覧です: 自宅避難事情、そしてズボン:

« 負けるもんか、余震 | トップページ | 今日もズボン、届けます »