絵本が(きっと)できるまで 第2回
絵本を作っています。
柳田邦男さんはいわずとしれたノンフィクション作家。岩手県民としては、「遠野物語」のイメージも強いです。
河合隼雄さんは、臨床心理学者。多くの読みやすい心理学の本に学生時代から助けられています。
松居直さんは、児童文学家。あの月刊「こどものとも」の創刊、編集長をされていました。
お三方の大変わかりやすい絵本指南のおかげで、「絵本とは?」という今まで考えたこともなかったことを言葉で確認することができ、方向性もほんのわずかですが見えてきました。
特に印象的だった言葉は、松居直さんの
「絵本は子供に読ませる本ではない・・・(中略)・・・大人が子どもに読んでやる本です」という部分。
絵本は、大人であっても自分で読むときと、誰かに読んでもらう時とでは大きく印象が違うのだそうです。大人になると、誰かに本を読み聞かせてもらう機会がなくなるので、目からウロコです。
自分で読むと、読んでいる時は字を追い、そのあとで絵を見る。ここで時差があるので、言葉と挿絵の間に溝ができる、と。
読んでもらう時には、「耳で言葉をききながら」「挿絵を見る」ことができるわけですから、耳で聞く言葉が静止画であるはずの絵を動かすのだそうです。すごい!
子どもたちにはその体験こそ必要なのだと。受け身で情報が入ってくるこの時代だからこそ、自分で想像したり、広げたり、動かしていけるこの体験が貴重なのだと。
絵本を作るにあたり、ある部分を「絵にする」のではなく、流れの中にある一瞬を絵にしなくてはならないのだな、とますますハードルは上がってしまいましたが、大きなヒントを得られたワクワク感はあります。理想は高く。
確かに、いろいろな絵本を読んでいても、言葉と絵が微妙に一致していないとちょっと不快感があったりします。上手とはいえない絵、丁寧とはいいがたい絵でも、文章とぴったりだと、リズムよく読み進められたりします。
ずーっと読み続けられている人気の本には、そんな秘密もありそうです。
ページ全体を絵にするのか、カットのように、ちょこちょこと絵を入れていくのか、いろいろなパターンを美しい絵本に学びます。
紹介されている本をぜひ手に取って見てみたいですが、さすが「PEN」から出されているだけあって、おしゃれすぎな本、洋書が多いので、どれだけ市の小さな図書館にあるのやら・・・
さて、今日も図書館で宝探しです!
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